会報 NO 22.平成12年12月7日発行                  

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1 第6回「支える会」セミナー開催される
パネルディスカッション感想...向井
大阪市だより....山村
第3回研修会報告...講師 滋賀県甲賀郡心身障害児・者コーディネーター中島 秀夫
重症心身障害児者の暮らしのあり方と現状について考える研修会を終えて
強度行動障害部会報告...講演会報告..十月七日()に開催された門 眞一郎氏...速藤
改めて考えてみましょう...今井
重症心身障害児者とIT基本法の成立..平野
「支える会」ホームページのお知らせ
機能的脳神経外科・最近の進歩... 市立泉佐野病院 脳神経外科 平山東
編集後記

第6回支える会セミナー開催される

テーマ 重症心身障害児者の地域生活支援とパートナーとしての医療

 去る十月二十二日、大阪国際交流センター(ミニホール)において、「重症心身障害児者地域生活支援とパートナーとしての医療」をテーマとしてセミナーを開催いたしました。家族の方々を始め多くの関係者の方々に参加をいただき、有意義なものとなったと確信いたしております。午前は本会の全国組織である全国重症心身障害児(者)を守る会の理事でもあり、社会福祉法人旭川荘専務理事である末光茂氏に「重症心身障害児者の暮らしと医療の支援」というテーマで基調講演をしていただきました。

 長年の経験と豊富な情報を私たちに提供して下さいました。特に、大阪などの都市部での取組みや重症児者の抱える困難性を深く分析され、現在直面している問題に踏み込んだ内容の講演会となりました。その中でも、重症児施設が入所施設としてのみの役割だけでなく、地域生活支援の役割を担う実践と展望を伺うことが出来、今後の重症児者の地域生活支援のあり方を考える上で非常に参考となる内容でした。

末光先生には基調講演に引き続き、午後からのパネルディスカッションにも参加していただき、様々な提言と情報提供をいただきました。そして、大阪への熱いエールもいただいたように思います。今回のセミナーが一つの起点となって、大阪の重症児者福祉の展望が開けることを心から願うものです。 


パネルディスカッション感想

テーマ 重症心身障害児者の地域生活支援とパートナーとしての医療

  富和清隆氏(大阪市総合医療センター小児神経内科部長)
  荒川輝男氏(淀川暖気の苑 施設長)
  清水明彦氏(西宮市青葉園 園長)
  末光 茂氏(社会福祉法人旭川荘 専務理事

 司会 小澤温氏(大阪市立大学生活科学部助教授)

 様々な方面で生活支援問題や医療問題に取り組んでおられるパネラーの方々をお招きしてのパネルディスカッションですので、医療的ケアの必要な娘を地域の中で育て暮らしたいと思っている私は、どんなお話が聞けるだろうかと楽しみにして参加しました。パネラーの方々のお話と私の感想は以下の通りです。

 富和清隆氏:障害児医療の問題などを指摘。今後の医療的ケアや在宅医療の取り組みについて、障害児に対する「ドッグ」入院の試みなどの話。「生活の質を支える医療・看護」について。学校の中の医療的ケアは、教師の専門性を発揮するために避けて通れないこと。国療や施設のない大阪では、その代わりを病院が担っていかなければ、いろんなレベルでの医者の参加が必要とのお話は、大変心強いものでありましたが、病院は医療面でのサポートはできても生活施設ではないため、地域生活支援施設の必要性を感じました。

 荒川輝男氏:施設における地域支援についての話。家族も含めた支援体勢の必要性、生活と医療とを融合・統合させ、真の生活の豊かさを向上させる取り組みの必要性、そして、それを支える人材養成の重要性について。施設利用者に「指導」という言葉を使うことに抵抗を覚えたとおっしゃったところに、荒川氏の「人」に対する姿勢を感じました。また、重症心身障害児者本人の意思をどこまで汲み取れるのかについて話されたことが印象的でした。親として、本人の意思とは異なることを代弁していないか、自己に問いかけながら育てていきたいと思いました。

 清水明彦氏:重度重複障害者の社会参加・自己実現・自立生活への取り組みについて。青葉園における医療支援の現状。(すぐ前にある施設の医師、嘱託の医師、近所の医師、入院できる総合病院とたくさんの医療機関と連携をとっており、「こっち側本位でどんどん連携する」)医療専門家だけではなく、日頃関わっている介護者が仲間としてチェックする重要性の指摘。
 いろんな方面の医療機関と連携することは、医療中心の暮らしをするということではなく、活動と医療とが絡みあいながら地域の中での生活を作っていくことだと教えられました。「自立生活プログラム」が興味深かったです。清水氏のお話には「主体」という言葉がよく出てきました。「本人は、地域で生きていく主体者である。それを支えていく」「本人をまん中において、関係の中で支えていく」「主体をはずしてはならない」との言葉がありました。重度障害児者の親である私達は、ともすれば、何もわからない子だからと、「本人主体」と言うことを忘れてしまいがちになる危険性があります。荒川氏の発言にもありましたが、本人が主体、本人が何を望んでいるのか、いつも心に置かなければならないと思いました。

 末光茂氏:午前中の基調講演から続いて、海外と日本の施設の状況や日本の「重症児施設」の存在意義の見直し、地域における医療支援など、スライドを交えながらの話。

 「施設のない大阪だから、無いだけに大阪だから、全国初のものが作れる。マイナスは大きなプラスになる」と大阪への熱い期待を語って下さいました。

 司会の小澤温氏は、命の質・生活の質・人生の質という3つの質があること、自己決定・自立支援の考え方が重症心身障害児者にも必要と話されました。そして、医療を調整・コーディネートする大切さや人材育成の重要性について確認され、地域と施設との間の地域生活創造拠点となる施設を新しいモデルとして大阪に作っていけるのではないかとまとめられました。

 大変充実した内容のパネルディスカッションでした。ぜひ、地域生活創造拠点を作っていただきた、親として、一緒に作っていきたいと思いました。そして、子どもをまん中において、地域で人間関係の中で育てていきたいと思いました。有難うございました。                             (向 井)


大阪市だより
 第三回研修会報告

  講 師 滋賀県甲賀郡心身障害児・者コーディネーター 中島 秀夫

  テーマ「重症心身障害児・者への生活支援の実践を通して」

 九月二十五日「早川福祉会館」に於いて、第三回の研修会が実施されました。

  中島さんに滋賀県甲賀郡の生活支援の先駆的な取り組みについて事例をまじえてお話し頂きました。
 障害者とその家族の生活を支援するために、行政と一体となり生活支援センターが創設され、個別ニーズに基づきサービスの提供が行われているとのことでした。
 今まで、私達は重症心身障害児・者を抱え、社会生活をしていく上でどんなに多くの犠牲を強いられてきたことでしよう。
 その時々、ほんの少しのサポートがあれば当たり前の生活が当たり前に出来ていたように思います。今、甲賀郡の方々は社会資源のすき間を生活支援センターのサービスで埋められ、大きな安心感を得られていることでしょう。
 資源と資源を繋ぐ人、必要な時にすぐに使えるサービス、システム、財源がこの大阪に必要であると切に感じました。


 重症心身障害児・者の暮らしのあり方と現状について考える研修会」を終えて
                 大阪コミュニティ財団助成事業
 第一回研修会
   
講師 西宮市重症心身障害者通所施設 青葉園 園長 清水 明彦様
 第二回研修会 
   講師 大阪市立総合医療センター  小児神経内科部長 富和 清隆先生
 第三回研修会
   講師 滋賀県甲賀郡心身障害児・者  コーディネーター 中島 秀夫様

 たくさんのサポートを要する重症児・者の暮らしの現状は、家族の負担も含めまだまだ大変厳しい状況にあります。そうした重症児・者のより良い暮らしを願い、医療・福祉・教育の連携を模索しようと、当事者でもある親や関係者が集い研修会を重ねました。

 先駆的な生活支援を実践されている西宮「青葉園」、滋賀県甲賀郡「レガート」の取り組みを伺い、在宅支援の選択肢が私たち周辺には余りにも乏しいことがより鮮明になりました。
 又、暮らしを支援する中で、医療は重症児・者にとって生活をサポートする一つとして切り離せません。
 現在、大阪市総合医療センターで先駆的に取り組まれている障害児ドックは、重症児・者や関係者には一筋の光となっております。 しかしながら、成人の重症者にとって入院・通院等で医療の受け入れが難しく「生きる」という根源をも揺るがす大きな問題が立ちはだかっています。
 医療的問題も山積し、親の高齢化も伴い、介護の負担が家族に重くのしかかっています。それを打開すべく、介護者養成や介護者派遣、又、コーディネートも急務であるように思われます。

 このような研修会を関係者と共に重ね「どんなに重い障害をもっていても安心して生活していける」そんな日が一日も早く現実のものとなるようにと切に願って止みません。                                (山 村)

強度行動障害部会

「支える会」は、平成九年度に社会福祉・医療事業団の助成を受け「強度行動障害問題に取り組んで」より四年目になります。毎年四〜五回の講演会を開催し、多くの関係者に研修の場(機会)を提供してきました。(報告集を三集発行)

 本年度は(六月)意見交換会、(七月)「萩の杜」施設長松上利男氏、(十月)「京都市児童福祉センター」門眞一郎氏、(十一月)「大阪自閉症支援センター」新澤伸子氏の講演会を開催いたしました。さらに13年1月7日()にご講演頂くことになっています「川崎医療福祉大学」佐々木正美氏はこの問題に対して草分け的存在の先生です。ぜひご期待下さい。

 本年十月七日()に開催された門 眞一郎氏の講演会について少し報告させて頂きます。

 『コミュニケーションの視点から行動障害を考える』をテーマに、はじめに強度行動障害を示す人たちの八割は自閉症であることを示され、極論すると自閉症は精神発達の偏りであり、知的障害は精神発達の遅れであるという特徴をあげられました。さらに、自閉症と知的障害とは相容れないものではなく、自閉症の子どもの約2/3〜3/4に同時に知的障害がある。一方、重度・最重度の知的障害の子どもには多かれ少なかれ自閉症の行動特徴がいくつかみられることが多いと話されたことは、「支える会」としてこの問題に取り組んでいることの意義、必要性をより一層感じました。 続いて、この三十年間で自閉症の人と家庭に対する教育と治療は大きな進歩を遂げてきたとしてその有効な治療プログラムに共通する特徴を(モデルや理念に関係なく)三点上げられました。

 1、構造化された行動療法的で教育的なアプローチ
 2、プログラムを家庭で実行してもらうために親をトレーニング
 3、五歳までに開始する

 さらに構造化の説明と必要性を述べられ不適切行動の予防について具体的で納得のいく明解なお話でした。特に「自閉症の子どもを、構造が明確化されておらず、コミュニケーションが成立しない環境に置くことは心理的虐待に他ならない」と云われたことには目の覚める思いがしました。                 (速 籐)


改めて考えてみましょう

   咋年より国の社会福祉施策が大きく見直され、数多くの法律・制度が改革されました。   私たちの生活に関わる障害者福祉や医療制度も大きく変わります。 その変革の基本理念は、今までのように国・自治体の施策を一方的に受けることではなく、これからは 国民一人一人が自己決定し、施策を自主的に利用していくことになります。権利を主張する裏に自己責任も生 まれてきます。必要な情報を得て、自分で判断し、自己責任において施策を利用することになります。賢い消費者にならなければなりません。ここに一連の施策の変革を時間を追って、その内容を簡潔に紹介致します。

H11年10月1日
 ◇地域福祉権利擁護事業(社協に生活支援員を置き、福祉サービスの利用援助・日常的金銭管理などを行う)
 ◇施設内の苦情解決の仕組みの整備(施設内に苦情解決責任者・苦情受付担当者・第三者委員をおき、苦情解決に当たる)
 ◇都道府県に運営適正化委員会をおく(大阪府には苦情解決小委員会・府社協には運営監視小委員会が設けら  れました)

H12年4月1日
 ◇介護保険施行   介護保険と障害者(身体障害者療護施設・重症心身障害児施設・国立療養所重症児病棟などの入所者は被保  険者にはならない、40才以上の在宅の障害者は被保険者として保険料を払います・特定疾病者を除く・サービスは従来通り)  ◇民法の一部改正・成年後見制度施行

H12年6月7日
 ◇児童福祉法の一部改正   社会福祉事業法が社会福祉法へ
 ◇身体障害者福祉法・知的障害者福祉法の一部改正
 ◇身体障害者療護施設に通所型の併設への条件の拡大
 ◇通所授産施設の相互利用の促進(身体障害者と知的障害者通所授産施設の相互利用)
 ◇知的障害者の生活支援について(知的障害者福祉ホーム・グループホームの就労条件の撤廃)
 ◇障害児(者)のショートステイ事業における日中預かりの導入(宿泊を伴わない数時間、半日単位も可)
 ◇授産活動活性化特別対策事業
 ◇社会福祉事業の範囲の拡充(9事業の追加)
 ◇厚生省と労働省の連携による情報機器の活用による重度障害者の社会参加・就労支援事業

H12年7月12日
 ◇社会福祉法人の経営に関する検討会
  経営・事業・財務・人事など施設運営の全てについて、責任・役割の明確化・情報公開・危機管理が提言されました。

H12年9月1日
 ◇障害者小規模通所授産施設を経営する社会福祉法人に関する要件
  (1) 1000万円以上の資産
  (2) 5年以上の実績・行政より委託・助成を受けている
  (3) 一つの都道府県のみの事業とする

H12年11月15日
 ◇バリアフリー法施行(新しい駅にエレベーターの設置義務)

H13年1月1日
 ◇厚生省が厚生労働省に

H13年4月1日
 ◇身体障害者療護施設に筋萎縮性側索硬化症(ALS)による障害者の受け入れ可
 ◇知的障害者入所更生施設の高齢化・重複化に対応した基準面積などの改善26.6u→30.3u
 ◇高次脳機能障害モデル事業の創設
 ◇消費者契約法(入院時の契約差額ベット・保険外診療・誓約書など)
 ◇社会福祉施設に対する第三者評価事業

H15年4月1日
 ◇知的障害者に関する事務の市町村への委譲
   福祉サービスの利用制度化
 ◇措置制度から利用制度へ
  「自己主張・自己決定の困難な人の代弁・代理はどうなるのでしょうか」
 ◇障害者にも介護保険の適用
  「老人の介護保険をよく見極めましょう」
  「障害者が当たり前の人間として、当たり前に生きて行くことを支えられるような保険制度になるよう関心を持って行きましょう」
 ◇都道府県等障害者ケアマネジメント体制整備事業

  多くの法律・制度が次々に改革され、掲載漏れがあると思います。又、まだまだこれからも計画されています、出来る限り情報を集めて皆様に提供して参ります。

  「支える会」のホームページだけでなく、厚生労働省・各自治体の情報公開も進んでいます。私たちにとって『良い改革』になるようアンテナを高くして見守って行きましょう。


重症心身障害児者とIT基本法の成立

 すべての国民がインターネットなどを利用して情報技術(IT)革命の恩恵を受けられる社会を実現するための「高度情報通信ネットワーク社会形成基本法」(IT基本法)が去る11月29日参院本会議で可決、成立した。平成13年4月1日より施行する。世界最高水準の高度情報通信ネットワークを構築することや、IT施策を重点的に推進するため高度構報通信ネットワーク社会推進戦略本部を設けることなどがテレビや新聞で大きく報道されました。
 この法律はすべての国民がIT(情報技術)の成果を享受できることを通じて活力ある社会を推進することが掲げられている。

 ところで、重症心身障害児者が具体的にどのような成果を享受できるものなのかを考えてみると、直ちに重症心身障害児者自身がパソコン等でインターネット等を使いこなすことは難しいことではあるが、間接的にはこれからの福祉施策を根本から変革する可能性を持つものと思われます。
 高度情報通信ネットワークの整備により、まず各家庭、重症児者の主治医のいる病院、重症児者のグループホームそして重症児施設とがインターネットを通じて相互にネットワークし結合されると医者と重症児者の距離が大幅に短縮されます。既に日本の一部地域においては、医者と患者との間で遠隔操作による治療、医療相談などが始まっています。現在は、医療的ケアが比較的少ない重症児者であっても、多くの場合、住み慣れた街から遠く離れた重症児施設に入所しています。重症児施設とグループホームが有機的にネットワーク化されれれば、21世紀には重症児者も住み慣れた地域社会で暮らしていくことが出来るのでしょうか。IT社会というものが、最も弱い立場の人を視野に入れた、真のノーマライゼイション社会の実現に通じることを心から願うものです。                         平野


「支える会」ホームページのお知らせ

 支える会ではIT社会の波が押し寄せる昨今、時代の波に乗り遅れがないよう、平成12年4月より独自ドメイン名を取得しホームページを開設し、「支える会」のイベントの内容を主に発信してきました。開設後、他の福祉団体等からのリンクの申し込みも多くなり、ホームページのアクセス回数も増加してきています。ひとえに会員はじめ多くの関係団体のご協力によるものと感謝しています。平成13年度も更に多くの障害児者ならびに関係者に役立つ情報の提供発信を強化すべく検討しています。
 ホームページには会活動の様子、イベントのお知らせ、機関紙「支える」、福祉に関する新着情報等、そして多くの人の意見が聞ける掲示板の設置も行っています。また、福祉関連の他の団体とも相互リンクし、福祉情報が得やすいようにしていますので、是非一度機会がありましたら開いてくださいますようお願いします。
 本会では平成13年度の事業の一つとして、会員でホームページを開設したいとお考えの方を対象にホームページ作成のための講習会の開催、また、公開を希望する会員には助言、アドバイス等も行っていく予定をしています。
               


機能的脳神経外科最近の進歩T***りんくう総合医療センター  市立泉佐野病院 脳神経外科 平山東

 脳神経外科の一分野として機能的脳神経外科(聞き慣れないかたも多いと思いますが)という領域が有ります。脳神経外科で扱う病気、たとえばクモ膜下出血、脳内出血、脳腫瘍などは脳を圧迫したりしますので手術で処置をするわけです。しかし、これらはよく考えてみると、脳神経の手術といいながら、脳の神経細胞や神経繊維を直接手術しているわけでは有りません。機能的脳神経外科というのは、神経細胞、神経繊維、脊髄、末梢神経などに直接手術操作を行い、患者さんの神経機能を高めて、少しでも症状を緩和しようとするものです。機能的脳神経外科で扱う病気には通常の内科的治療では緩和できないような、痛み、不随意運動(ふるえ)、てんかん、関節の固まり(痙縮、痙性麻痺)などがあげられます。脳性麻痺や脳血管障害後にしばしば見られる尖足、内反、屈曲といった症状は痙縮、痙性と呼ばれます。長年行われてきた整形外科治療では、腱や筋肉の移行術や延長術が行われますが、長期の入院、ギプス固定、成長にともなう再手術などの問題が有ります。痙縮、痙性の治療に関しては、日本の現状は欧米に比べて大変おくれているといわざるをえません。しかしここ数年、国内でも機能的脳神経外科に対する関心が高まるとともに、機能回復を目指す痙縮、痙性の外科治療にも目が向けられてきています。このコーナーでは機能的脳神経外科についてや、具体的な治療法を御紹介していきたいと思います。           (以降、次号等掲載)


 第6回セミナーは内容も充実していてとても好評でした。全国一大規模「重症心身障害児施設」が大阪にあっても、在宅の方々にとっては講師の方がおっしゃった「施設のない大阪」という感覚があります。パネラーの方々のお話とはほど遠い実感です。
 医療面の問題を抱えている方々、強度の行動障害を示している方々という福祉の面で取り残されている課題に取り組んでいる「支える会」の存在は、例え小さなものであっても大きな意義を持つものとなるよう力を合わせてがんばっていきたいと思います。           編集委員一同

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